クレーンの窓

若生奈々

WAKO NANA

鹿野研究室

CGゲーム

何通りもの世界、二度とない光景

本作は「見たことのないクレーンゲームの光景」をテーマにした3DCGゲーム作品です。魚の形をしたアームや、頭蓋骨、パイナップルといった本来景品ではないものが並ぶ光景など、シュールレアリズムの手法を参考に、現実のクレーンゲームでは決して見ることのない要素で構成されています。これらのクレーン、景品、ステージ、天候が変数化され、プレイごとに異なる光景が生成され、約5万を超える組み合わせの中、自分だけのクレーンゲームを体験できます。景品獲得よりも、偶然生じる光景や物理的な動きを体験の核としており、一度きりの出会いとして記憶に残る作品を目指しています。

本作の制作を通じて、最も学びが大きかったのは「制約の中で意図を実現する」ということでした。初めてのゲーム制作であり、物理演算を活かした表現やランダム生成の実装では、思い通りにいかない場面が何度もありました。特に「ちょうど良い偶然」を探るパラメータ調整には想像以上の時間を費やしましたが、その都度、別のアプローチを探ったり、制約そのものを作品の個性として取り込むことで、新たな表現の可能性が開けていきました。

ご指導いただいた先生方、そして制作を支えてくださった家族と皆様に、心より感謝申し上げます。この作品が、後輩たちがこれから制作に取り組む際のヒントになれば幸いです。