省線のその小さな駅で
藤﨑友心
Yushin Fujisaki
加藤研究室
その他
お待ちしております
《作品について》
待つということが日々にはあります。何をするとしても、どこかで待たなくてはなりません。待って、待ち焦がれ、待ちかねて、また待って。そんなことの繰り返しです。私たちは何を期待しているのでしょうか。いつから待っていたのか、いつまで待たせていられるのかは分かりません。能動や受動、或いは意志の外側で私たちは待っています。この不安の態においては、何を待っているのかも分からずに、ただ待っていることもあるかもしれない。省線のその小さな駅で。
《作品の形式について》
本作品は、フィジカルシアターというジャンルのパフォーマンスを含む作品になります。フィジカルシアターとは、ダンス、マイムなどの身体的な要素、また、小道具や美術、映像なども採り入れ、解釈の間口を広げた舞台芸術のことです。形式上、この名称を使用していますが今回の研究は演劇の拡張要素として映像を利用しているのではなく、映像の構成要素として身体性を拡張したという形で制作しております。映像と体験、即ち身体との関係を探る研究です。身体と劇場なら、そんな解釈があっても良いと思いました。
《テキストについて》
本作品内で使用しているテキストは、太宰治の「待つ」という掌編から引用したものです。その中から分割、切り貼りしてカットアップにしています。全文は青空文庫でお読み頂けます。
《上演スケジュール》
期間中全日共通
・10時40分
・11時40分
・14時40分
・15時40分(2月8日休演予定)
・16時40分(2月8日休演予定)
※2月8日のみ13時40分の臨時上演アリ
各回10分前に開場致します。上演開始1分前に入場を締め切りますので、5分前を目処にお集まりください。
お席が大変限られておりますので、ご鑑賞頂けない場合がございます。予めご了承下さい。
上演時間は15分を予定しております。
《注意》
・上演中は携帯電話などの機器を音や光の出ない設定にしてください。
・大きい音が鳴ったり、激しい点滅が起こる場面がございます。狭い空間ですので、不安を感じられる方は、鑑賞を御遠慮ください。
《最後に》
映像学科の卒業制作で自分の得意であるパフォーミングの領域になるとは当初は考えていませんでした。しかし、映像と身体性の関係についてはこの形式を以て研究するのが相応しいと思い至りました。優れた映像作品には「映像体験」という言葉が使われます。一部屋も借りることを許して頂けたからこそ、実現できた体験だと思います。本当にありがとうございました。
最後になりますが、加藤先生、屋代先生をはじめてとして、多くの方にご助言頂きました。卒展設営に関わってくださった皆様、先生方、劇団の皆様、両親、そしてこの度ご鑑賞くださった皆様に、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。