Filter

磯野 凌

Isono Ryo

工藤研究室

インスタレーション

史実を視る 真実を知る

本作は、戦国時代に起きた10の主要な出来事をモーショングラフィックで映像化した作品です。赤と緑のカラーフィルターを活用した視覚効果を取り入れ、インフォグラフィック的な映像表現を採用しました。カラーフィルター越しに映像を見ることで、一般的に知られる歴史の知識と、その裏に隠された真実が浮かび上がる仕組みになっています。視覚的に分かりやすく、楽しみながら学べる体験型の歴史映像をぜひご覧ください。

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私たちは、日常生活で様々な“フィルター”を挟んでいるのかもしれません。

世の中に「十人十色」という言葉があるように、人は人それぞれの”色”を持っていて、各々の体験を経て価値観というフィルターが形成され、それが各々の眼にもやのようにかかって初めて人の持つ“色”を見ることができるのではないか、と思います。我々が生きていく上でフィルター越しに見るその“色”は、時に綺麗に、時に汚く、言葉では言い表せないほど複雑で、繊細で、かつ深みのある色に見えるかと思います。

本作品は、日本の戦国時代を切り取り、事柄のたった一面を見るだけでは見ることの出来ないような“色”、フィルター越しの“色”に触れ「習う歴史」から「見る歴史」に昇華することを目的としております。また、真実とは何なのかを見つめることで浮かび上がる日本の戦国時代に確かにそこにあった、先人たちの遺した“色”の一端を感じ取ることを目指して制作した作品となっております。

最後に、私が生きてきた二十数年間、私を支えてくれた全ての人に感謝するとともに、この先何十年と続くであろう私の長い人生をかけて、自分はどう選択して自分の人生にどういう色を塗るのか、そしてその人生という道の更に先にある、世の人々を少しでも幸せに出来るような自分の“色”、これを模索し続けていきたいと思います。